Tristar のおもちゃ箱

クモヤ440 製作記(1) ・ ボディ編

此方からは、クモヤ440 製作記のメニュー へ戻ります。



    銀河モデル製 クモヤ440キットの車体製作過程を、紹介しております。
       パーツの状態

 キットのパーツ一式と、製作に必要な
部品を並べてみました。
本製品は、車体キットなので、別途に
右側に並べた、動力ユニットとパンタ
グラフが必要です。
連結器は、先頭車のお決まりでTN化
する予定です。

 キット構成は、折曲げ済みの車体に
内張りを貼るといった、Nゲージブラス
キットの基本的なもので、ハンダ付け
製作の入門キットとしても、最適な
内容だと思います。

     窓サイズの転写

 パーツ状態の時に、内張りの窓を
ペンで写取っておきます。
車体完成後、この型紙に合わせて、
窓ガラスを作製すると、効率良く
大きさもピッタリと合わせられる
訳です。

      部品の切出し

 前面と側面の内張り切出し、ブリッジを
整形します。
前面の内張りは、方向幕部と通気口が
抜けていなかったので、併せて切欠いて
おきました。
  (黒マジック塗りの部分です。)

     側面内張りの位置決め

 表から見て、ドアとグリルの関係から、
内張りの固定位置を決めます。
位置が決まったら、セロテープで仮止め
しておきます。

     フラックスの塗布

 ハンダ付けで仮止めをする為、古筆で
フラックスを流します。
毛細管現象により、内張りの開口部に
筆先を当てるだけで、フラックスは
必要箇所へと流れてくれます。

   ハンダ付けによる仮止め

 ハンダを乗せたコテを車体に当てると、
塗布したフラックスが「ジュッー!」と
音を立て沸騰し、車体に熱が伝わって
ハンダが流れて行きます。
一呼吸おいてから、コテを離し、車体が
冷えると仮止めの完了です。

 なお、ハンダごてのコテ先の準備は、
こちらをご覧下さい。

     セロテープを剥がす

 仮止めが済んだら、本固定に備え、
セロテープを剥がしておきます。
テープは、かなりの熱に耐える様ですが、
糊の成分はすぐに炭化し固着するので、
注意が必要です。
もっとも、塗装前にワイヤーブラシ等で
洗浄すれば、汚れと共に落とせますが、
不要な破損を防ぐ為にも、汚さないに
越した事は有りませんよね。

    側板内張りの本固定

 仮止めで位置合わせに問題が無ければ
裏側の穴から本格的にハンダを流して、
側板を固定します。
この際、Nゲージの車体ならば、全ての
開口部を固定しなくても、強度は充分な
様です。

    側板内張りの固定完了

 約15分程で、両側の内張り固定が
完了しました。
銀色に変色している部分が、ハンダを
流した箇所です。

     ハンダのはみ出し

 細部を良く見ると、グリルの一部に
ハンダが流れ出していました。
こんな時はキサゲ刷毛の出番!
モールドを潰さぬように、ハンダのみを
削り取ります。

   屋根上、機器搬入口の蓋

 側板内張りと同様の手順で、固定して
行きます。

     ハンダ付け痕

 左側は、ハンダが流れて直ぐにコテを
離したモノです。
十分に熱が伝わっておらず、右側の例と
比べると、ハンダが流れきれていません。

     ランボードの固定(1)

 小さな部品の固定では、先にパーツの
接合部をハンダで覆い(ハンダメッキと
呼ぶそうです)、コテにはハンダを乗せ
ずに行うと余分にはみ出しません。

 画像では、奥にあるのが裏側をハンダ
メッキしたランボードです。

    ランボードの固定(2)

 このキットには、車体にランボードの
取り付け位置がモールドされているので、
それが隠れるように固定します。

      パンタの加工

 このキットでは、TOMIX製のPS17を
使うように指示があり、取り付け穴等も
それに合わせて配慮されていましたが、
Tristarは手持ちの余剰部品を用いた為、
固定方法を変更しました。
パンタは、分解して固定用足を削除し、
併せて、昇降バネも薄く削っております。

     パンタ加工の効果

 加工前後でのパンタを並べてみると、
その効果はご覧の通りです。
但し、取付け強度は若干落ちます故、
完成後の取り扱いにはご注意下さい。

    パンタ取付穴のケガキ

 車体には、取付穴を新たに開け直す
必要がありますので、現物を測定して、
鉛筆でケガキを行います。

      穴開け作業

 虫ピン等で穴位置にセンターを立て、
ピンバイスを用いて穴を貫通させます。
この際、一度に最終径のドリルを用いる
のではなく、小さい径から徐々に広げた
方が、効率よく作業出来ます。

 画像はφ0.3のドリルを用いて、
最初の下穴を開けている処です。

     穴開け後の車体

 最終径φ0.9のまで、開け終わった
状態です。

     取付け状態の確認

 パンタを取付けて、状態を確認します。
作例では、前後方向での間隔が少し
狭かったので、丸ヤスリで広げて修正して
おきました。

     パンタ台の表現

 余った真鍮板より、穴を開けた小片を
切り出し、車体に固定してパンタ台を
表現しております。
対象物が小さい事もあり、かなり盛大に
ハンダが流れて仕舞いました。 (苦笑)

     キサゲによる仕上

 はみ出していたハンダを、キサゲにて
削除しました。
その詳細は、こちらをご覧下さい。

     前面内張りの逃がし

 前面内張りは、そのままだと方向幕を
塞いでしまうので、張り合わせる前に
その部分を切断しておきます。
右上が、干渉部を切断した内張りです。

  前面内張りの位置決めと固定

 表から内張りの正確な位置を決め、
セロテープで仮止めしてからハンダを
流します。
この手順は、側板の固定と同様です。

     妻板の固定(1)

 妻板は、車体に挟む様にして位置を
決め、最初に両裾と屋根中央の3ヶ所を
仮止めします。
再度表から位置を確認し、問題無ければ
完全にハンダを流して前面を固定します。

 また、車体との間に生じる隙間にも、
ハンダを流し込み、埋めておきます。
この時、熱を回し過ぎますと、仮止めが
外れたり、内張との間に隙間が生じたり
しますので、注意が必要です。

     妻板の固定(2)

 妻板の固定痕を内側から見ています。
Nゲージの車体ならば、これほど盛大に
ハンダを流す必要は有りませんネ。

          (=^v^=)

     妻板のキサゲ処理

 仮止めの都合上、車端のギリギリを
狙っていても、妻板は若干内側に入って
仕舞いました。
画像は、この0.2程の段差を、キサゲ
にて削っている所です。

     妻板のヤスリ掛け

 続いて油目のヤスリにて、中仕上げを
行います。
この段階で、不要な凹凸は全て削除して
おきます。

    ペーパー掛けによる仕上

 最後に#400番から#800番までの
耐水ペーパー掛けを行い、切削痕を
落して仕上げを行います。

 キサゲ、ヤスリ、ペーパー掛け共に、
必要なディテールを削らない様、慎重に
作業しましょう。

     仕上げ後の妻面

 接合部の仕上げまで終わった妻面の
様子です。
説明書では、この状態から塗装する様に
なっていますが、貫通扉の踏板を浮いた
状態で取り付けたかったので、塗装の
手間を考えて、どう料理するか、少々
悩みました。

    ディテールの追加(1)

 結局、強度を確保するため、踏板は
この段階でハンダ付けにより固定する事
としました。

 実物写真によりますと、前位と後位で
表情に若干の差が有る様です。
具体的には、連結器の横にある開口部の
有無で、後位側では、どの写真でも
見当たりませんでした。
これが本当に、前・後位での差なのか、
あるいは経年変化なのか、1番と2番の
個体差なのか、確認出来ませんでしたが
模型的には変化がつけられ面白いので、
後位側の開口部を埋めてみました。

    完成した後位側の妻面

 盛り付けたハンダを整形して、後位側
妻面も完成です。
小さな変化ですが、それ故、自己満足
なのです。  (=^o^=)y

    完成した前位側の妻面

 クモヤ440では、パンタ寄りのが
前位(1位)となっております。
こちらはキットのオリジナルのままで、
連結器横の開口部が有る状態です。

    ディテールの追加(2)

 最後に小さなディテールパーツは、
瞬間接着剤を用いて取り付けました。

 これにて車体は、完成です!
なお、追加したパーツの中で、自作した
把手の製作については、こちら
ご覧下さい。


― この後は、下廻り編に 続きます。 ―



このページの最初に戻ります。

クモヤ440 製作記のメニュー
工作室のメニュー

ご覧頂き、ありがとうございました。
ご意見・ご感想は、こちら まで、お願い致します。