7.自分にも他人にも支えとなるのは自分自身です
約2500年前に、一国の王子として生まれたお釈迦さまは日々裕福な生活を送っておられました。さまざまな体験を通して世間や人間の生き方に対して疑問を抱くようになり、その後出家されて仏教の教祖となります。
お釈迦さまの残されたお言葉は、弟子たちによって整理され多くの教義となっていきますがそのひとつに「一切皆苦」があります。
人間がこの世で生まれ生きていくことはまさに「苦しみの連続」であるという意味ですがこれではせっかく生まれても何の喜びもないじゃないかと考えてしまいます。しかし、お釈迦さまはここで立ち止まらなかった。
これはどう言おうと明らかなる現実なのだからまずは素直に受け止めてみようではないか。そしてそこから進む道を見つけ歩いていけばいいと「悟られた」のです。ではいったいどうしたらいいものか。
お釈迦さまは「自灯明、法灯明(じとうみょう、ほうとみょう)」というお言葉を残されています。
困難に満ち、行く手さえ分からないこの世にあってまずは自己を灯火(ともしび)とし、その支えとして仏の教え(法)を灯火としていけばもう大丈夫である。
こう説かれました。
ここにいう法とはこの世の道理、当たり前の現象ととらえることができると思います。
不快な言葉を吐けばそれが摩擦の原因となり人間関係の苦が生じる。この道理(法)を理解(灯火)すればつまらぬ対人関係で悩む必要はなくなるということですよね。
南無釈迦牟尼仏。