光野浩一、某日の記憶のかけら。月一回、一日分のみ掲載。
県立美術館搬入通路を歩く。蔦越しに見上げた梅雨空。
抉じ開けられたオブジェ 持ち去られたチェス駒 隠された芳名帳には幼児の落書き。
それが2年前、宮崎の発表で舐めた辛酸。
それならまだしも、渾身の遺作を破壊された作家もいた。
展示室内はさながら自分の磔刑場。それは、ここをもってしてもそうなのか。
諦められない。私はこの地で生きているのだから。
それにしてもこの痛み。