Past days 2020

2020年某日の記憶の欠片

2020

Jan.3rd.2020

何もしない福岡での年末年始。

賑やかな年末商戦を傍観しつつ喫茶店をハシゴ。
実家に帰るものの為すべきは無く、年明けさっさと帰っては慌ててあれこれ手を出す。


いつも同じとは言えないが、この空気をまた味わえたことは幸いなのだろう。

 

 

Feb.16th.2020

都城市美・博多和宏さんのワークショップ見物。
前々回の個展発表では分厚い生ゴムコートの制作をお願いした。無茶振りだというのに、旺盛なチャレンジ精神に助けていただいた。

ライブソーイングで知られる博多さん、今回はその制作術の体験。
参加していた小さな子供たちの恐るべき集中力と色彩感覚に驚く。

自分も新作に向けて随分勉強することになりそうだ。

(* 画像は参加者作品。自分の作品ではありません。)

 

 

Mar.28th.2020

単なるパーツの仮置き、そのほんの一部。

閉じた世界の中で延々と壁を量産している。

自分にとっての制作は持病に対しての投薬に等しく、世の中がどうあろうと続ける他無い。

滅入る現実をなぞるものにしかならなくとも、飽く暇なく続けてしまうのだ。

 

 

Apr.16th.2020

処理待ちの壁部品。

積み上げてなお埋まらない空間が深い闇を湛える。

 

 

May.10th.2020

コロナに限らず、アーティストが亡くなるニュースを最近よく聞く。中でも驚いたのが、昨晩飛び込んできたクラフトワークのフローリアン・シュナイダー。
懐メロをやっているわけでなく、時代のツールで過剰な要素を削ぎ落とし、強い音を残す創作。
その普遍的な姿勢は、ジャンルは違えど自分のお手本であり続けた。
また、カッコいいお爺さんとして憧れの対象でもあった。

最近退いていたバンドの解散を意味するものではないが、創設者のひとりの急逝を心から悼む。


ラルフ、あなたはまだだ!

 

 

Jul.26th.2020

情報発信はストップしているも、新作の制作は進んでいる。ただ、延々とパーツを積み上げる様子を公開しても絵的には面白味に欠けるかも知れない。

先週、急用で福岡入りするも即日トンボ帰り。貘の空気は恋しくとも堪え時だ。

昨今蔓延のウイルスは地域や人心を分断する危険性も孕むが、近しい方々の無事を祈るばかりだ。

 

Aug.1st.2020

父の葬儀。高齢で闘病も長かったので、気をもみながらも覚悟はしていた。

福岡市の印刷会社のカメラマンだった父。少年時代の私は留守の書斎をこっそり漁ったものだ。
その中に忘れられない写真があり、それがマリーナ&ウライ・アブラモビッチの『REST ENERGY』であると知ったのは随分後になってから。
ウォーホルを初めて見たのもこの時だから、自分は10歳ほどで現代美術に触れていたのか。

ひととおりの蔵書はあったものの、父は根っからの商業カメラマン。コラージュやパロディの見解を巡って大ゲンカをしたこともある。
人から聞かれた際、影響は無いと否定する一方で自分も父の仕事をどこか誇らしく思っていた。

 昨今の状況では致し方無いが、人気の無い斎場は気の毒だ。

 

 

Sep.6th.2020

近年宮崎への直撃がない台風だが、まだ遠い鹿児島沖というのに強風が呻っている。ホテル避難も考えたが、地盤が固い岡の上住まいということを良しとして籠城を決めた。
あとは風。こればかりは神頼みだ。

個展時期のインフルエンザ対策として元々溜め込んでいたため、実はこれまでマスクに困ったことがなかった。
今回は布テープに運が働いたようだ。

準備で運を使い切っていないことを祈る他ない。

 

 

Oct.11th.2020

かつて通った場所の近所にカフェ。2羽の店長に迎えられた。

生きている、それだけで幸せ。