Past days 2001

2001年某日の記憶の欠片

2001

Jan.1st.2001

たかがリセット。不便な休日。

この日に特別な思い入れがなくなって、どれくらい経つだろう。
僕はきっと、つまらない男だ。

これはしあわせのかたち。
それを確かめる日。よい口実。

それも良いではないか。



両親が取った温泉宿。新年。

 

 

Feb.13th.2001

アートストリート開幕。
またあの人たちに救われた。

本当に久しぶりの宮崎市。
何もない、という印象は変わらない。
これだけ変わりはしてるのにね。

それにしても15年。
今更望むこともないが、
いつまで彼女は僕の痛みでいるのだろう。

そう、これは痛みだ。

 

 

Mar.18th.2001

萩原さんのパフォーマンスを観る。

マグマの脈動。大地の経血。死のまつりと誕生。
音が波打つ。原色のコントラストが目を刺す。
自分が排除してきたものが心を揺さぶる。
もはや桜島を郷愁のみでは語れなくなった。

挨拶もそこそこに帰途につく。
自分はというと、
大切なことも伝わらないまま、明日の別れを待つ身。

うまくいかないものだな。

 

 

Apr.28th.2001

実家から引き上げてきたLP盤を広げてみる。

荷物だからと他人に譲ったものの中の方に
むしろ聴きたいものがあったのは残念。


残ったのは中学・高校時代の血肉になったPOPS。
この頃は、JAZZやBOSSAの楽しみをまだ知らない。
PIZZICATO FIVEだって居なかった。

サヨナラが聴こえる感じ。

 

 

 

June.9th.2001

松谷武判さんの宮崎での個展。

絵の前に居合わせる者だけが味わえる豊かさ。驚き。
作家その人の大きさ、しなやかさ。

自分にこれだけのものが残せるのだろうかと
考え込みながらも、今はこの至福に盃を傾ける。

ひとが関係を結び、動く軌跡。

 

 

Aug.27th.2001

昼前の助手席。

サンドイッチ2パックにボルヴィック。
Ryuichi Sakamoto『CASA』。Ichiko Hashimoto 『MOOD MUSIC』。
Fantastic Plastic Machine 『BEAUTIFUL』。
Cosa Nostra 『LOVE THE MUSIC』。
丁度鳴っているのはMartin Denny。
後部座席に投げたデイパック。

また夏が終わる。

 

 

 

Sep.19th.2001
(後に言う9.11テロに)

 

Nov.9th.2001

福岡。

ウイルス性胃腸炎との戦いも終了。

3週続いた流動食。
はっきり判った。僕は宇宙飛行士に向いてない。

そろそろ良いかと飲んだワイン。
まだ何か違う。

終わったと感じた世界の中でもこうして生きている。

 

 

Dec.2nd.2001

学生時代、抜きには語れない友人の花塗れの姿とか
あの人は幾度僕の頭上を飛んだろう、とか
同じ歌を聴き、同じ涙を流す、知らない誰かのこととか
先週の散策の余韻とか
 悪意のループに懸命に嵌るやつらの悲しさとか
それほど自由にもなれない自分の不甲斐なさとか
とにかくとりとめもなく考えている。

おい、大の大人がバタバタ歩くなよ。


いや、こっちのことさ。いずれ話そう。