『 九州コンテンポラリーアート2019 佐賀 』 |
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『ダイダロス達の憂鬱』 |
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展示室入口すぐの床面中央。黒いカーペットが敷かれた上に白っぽいパネル状の作品が浮く。 |
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白いベースの中をグレー系に彩色された壁が走り、迷路を形成する。 ベースは十字形のシーソーに乗り、床からわずかに浮く。 (実際には揺らすことができるが、今回はストッパーで固定されている。) |
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白いベースの中をグレー系に彩色された壁が走り、迷路を形成する。 ベースは十字形のシーソーに乗り、床からわずかに浮く。 (実際には揺らすことができるが、今回はストッパーで固定されている。) |
『ダイダロス達の憂鬱』
テーマは現代人の迷いを俯瞰すること。題にあるダイダロスはギリシア神話に登場する工匠。その立場ゆえの誇りや愚かしさにシンパシーを感じる、創造しつつ生きる人間の象徴です。広くは迷路・ラビリュントスの創造主として知られ、自らそこに幽閉された者でもあります。 今作は創り住む都市自体の不明性を絡めながら、プレイ続行が不可能かつ降りられない生存ゲームを作品化したものです。
このグループ展にお呼びいただいて3回目。全体に見る表現の幅の広さ・各作家の成長や変化にはいつも驚くばかりですが、その中にあって自分が会場の制約をクリアしつつ表現すべきことは何かと考え、導き出したのが、この実験作です。 一見して傾向の異なるものにも、これまでの作品と共通したテーマ性や問題意識を汲み取っていただければと思ったのですが、会場やレセプションでの対話も意義深く、成功を実感することができました。 これ以降の制作ヒントとして掴めたことも多く、難産の甲斐がありました。ただ、制作上の問題として同じ難産を繰り返すかは考えるべきところです。 同じ九州にあって訪れることのなかった佐賀。ちょっと見だけで語ることはできませんが、知らない土地の空気感を味わうことは何時も愉しいものです。 |