『 補 遺 』 |
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暗い展示室。天井と床は黒い布やカーペットで覆われ、四方は白いカーテンで囲まれている。 黒い台上に白いジオラマになっている。 観客はここで作品を体験する。 |
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建物模型の集積からなるジオラマは人型であることがわかる。 盤面にはスポットが当てられているが、周囲は回らされたカーテンがうっすらと意識される程度の明るさである。 |
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ジオラマは人型すべてよく知られたボードゲームの部品の集積で構成されていることがわかる。 盤面には道が暗示されるだけの空きと、所々パーツの型のみが抜かれた場所が見られる。 |
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壁面カーテンの裏にはランダムな位置にLED電光掲示板が仕込まれており、時折ゆっくりとインストラクションを流し出す。 ( “GET” “LOSE” “STAY” “RETURN” “CHOOSE” “STEP” の6種。) |
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天井からは白熱球が吊るされている。光野作品の初期から登場しているものだが、今回点灯していない。 |
『補遺』
補遺…付記・補足。
個人の人生を語る上で取りこぼしてしまうものや説明し得ないもの・その気配を感じるための空間。 人の一生を物語やゲームに喩え集約するならば,そこに無いもの・語り得ないものも意識されるでしょう。果たしてそれらを遺していくことは可能なのでしょうか?人がその人であることは何を持って証明し、伝えていくことが出来るのでしょうか?
答えが無くても生きていく。それだけは確かなことです。
2012年暮れ以来、久し振りの福岡個展です。知人の逝去やフランシス・ベーコン展など印象深い出来事のあった本年、あらためて考えたことを込めた形がこのインスタレーションです。 スケジュール的にはこれまでに無い程苦しいものでしたが、多くの方々に助けて頂いたお陰で無事開催することが出来ました。このこともまた、忘れ得ない出来事です。 |