Early works

光野浩一の初期作品

初期作品

我々が日常触れているものにはそれを設計した人間の社会観と、それが求められる社会背景、そして使用されていくうちに負っていく社会通念が内包されています。オブジェにおける私の仕事は、それを解き、記号化された概念を再度揺り動かすことで人間の存在を再確認することです。

 

現在なお語り継ぐ、メメント・モリ。レディ・メイドを使用するのは、そこに言語があるからです。

 

『B-2(ORANGE)』/2002 作家蔵

  

B-2ステルス爆撃機の模型を型取りしたものに、

溶かしたキャンディーを流して成形したオブジェ。

(B-2はアメリカ同時多発テロに対する報復空爆に投入された。)

 

(原案2001年・完成2002年。画像は撮影用モデル。)

『MEMENTO MORI』/1994 TOKYO

 

1999年12月31日に終了の5年連用日記に毎日『ALIVE』のスタンプを押していく。

『1998(Hello,it\'s me)』/1998 作家蔵

 

1998年の1年日記4冊にそれぞれ毎日『YES』『NO』『OK』『NOT OK』のスタンプを押していく。

『NO TITLE』/1997 GOKASE

 

中学校のCAI教室の照明を落とし、生徒用コンピュータ・ディスプレイに

『MEMENTO MORI』

『I( ) THEREFORE I AM』

『WATCH THE WORLD OVER YOUR NOSE』

の三種の文章を送る。

『NO TITLE』/1995 作家蔵

 

1995年秋からの1年間に読んだ本を積み上げ、同じ高さの白紙と併置する。(この間、抑鬱状態に陥る。本は精神医学関係のものが大多数を占める。)

『MEMORIES(BLACK)』/1995 FUKUOKA

 

フロッピーディスクの表面に日記を書いたものをケースに収めて展示。1995年6月の1ヶ月分30枚を黒いフロッピーに書いたバージョン。中央には1999年12月31日終了の5年連用日記を置き、毎日『ALIVE』のスタンプを押してゆく。

『LAWS/RELATIONS/SYSTEMS (BROOD)』
/1994 MIYAZAKI

ケース内に作家の血液を垂らした男物・女物二種類のハンカチを併置し、それぞれに『MAN』『WOMAN』のプレートを付ける。

『LAWS/RELATIONS/SYSTEMS (GLYCO)』

 /1994 MIYAZAKI

ケース内に『グリコ』二種を併置し、それぞれに『MAN』『WOMAN』のプレートを付ける。(現在の製品に男の子用/女の子用の表記はない。)

『LAWS/RELATIONS/SYSTEMS(TEARDROPS)』

 /1994 MIYAZAKI

ケース内にライフル用銃弾と口紅を併置し、それぞれに『MAN』『WOMAN』のプレートを付ける。

『LIBIDO』(PLAN)  /1994 作家蔵

 

日本人男性の平均と同サイズのオーディオ・プラグ。機能はあるがジャックは無い。

『MEMORIES』/1994 PARIS

 

各種記録媒体の表面に、日記を書いたものを中心に、使用済みワープロリボンや焼いた写真などをケースに収めて展示。

『CONDITION』/1994 MIYAZAKI

 

カセットデッキのヘッドホン端子にマイクをつないだものを二組向かい合わせる。それぞれ男の声、女の声により『I LOVE YOU』と録音したエンドレス・テープを仕込み、再生。

『THE LAWS OF LOVE』
  /1993 FUKUOKA 1994 MIYAZAKI

 

何もない空間の中央に黒塗りのベビーベッドを置く。中には偏光シートを貼ったアクリルの箱。上面には『LET ME SMILE』の文字を配す。覗き込むと自分の顔が表面に映るが、かろうじて白無垢の赤ん坊の人形が確認できる。

『AMBIVERENCE』/1990 MIYAZAKI

 

陸上競技用ハードルに黄と黒でストライプを描き、等間隔に並べる。

『FUNERAL UNIT』/1988 KANAZAWA

 

枯れた花を棺に入れ、生花を添える。