環付きウキの形状

 環付きウキの形状には、大きく分けて3通りの型があると思う。
 一つは涙型のいわゆる下ぶくれタイプ、二つ目はピンポン玉のような中ぶくれタイプ、三つ目は中通し浮きに多いドングリ浮きタイプの3とおりだ。
 
 それぞれタイプに特長があって良いと思うのだが、私個人としては涙型の下ぶくれ型が環付きウキとしては最も適しているように感じている。
 なぜならば、環付きウキの場合、環が付いている分波に当たってふらつく可能性が高くなると予想されるからで、それを少しでも押さえ込む事を考えた時に、ウキの重心がウキの下部に在った方が抑えが効くと思うからである。
 環付きウキの最大の特徴は、浮きに環が付いている事で、ウキと道糸の接点がほとんど無くその分道糸にウキが支えられる事も全くないのである。
 それだけ、ウキ自体のふらつきを大きく感じてしまう人もいるだろう。
 しかし、一方で環付きウキの愛好者が多いというのは、一つは糸落ちの素晴らしさがあり、全層ホルダーが在る事でウキの取り替えの手早さと便利さがあるからだとおもっている。
 中通しウキよりも糸落ちが良いと言う事は、全層釣法の場合は非常に有利になると思っている。
 
 私が何故環付きウキの形状は、下ぶくれ型(涙的型)に拘るかというと、まずは感度の重視、次にふらつき抑制の追求にある。
 ドングリタイプの場合は形状が長くなる分、横からの波の力を受けすぎる嫌いがあると感じるが、下ぶくれ型の場合は形がどっしりとしたお結びタイプになっていて、海面または海中での姿勢に安定感がある。
 また、横に幅がある分上下からの一定の水圧も掛かってくるので、仕掛けの安定が得られる。
 
 中ぶくれタイプ(ピンポン玉型)の場合、高さと幅がほぼ同一になってくるので安定性と視認性においても下ぶくれ型と遜色のない安定性があると思っている。
 しかし、丸形という形状はウキの形としては、余り支持が得られないのではないだろうか。
 理由としては、上下左右からの波の抵抗(水圧)に対して、引っかかる場所がほとんど無くて、何処か物足りなさを感じてしまう事がある。
 現在、釣りの仕掛けをセットするときキザクラの全層環付きミドルの00号をメインとして使用しているが、小型の環付きウキに類する中にも適度の重さがあって、遠投が効き、ウキを潜行させるときも一定の操作性は発揮できる。
 これをもっとよりよく改良して、使用性、視認性、形状とも一段アップしたウキになればと言う気持ちがある。
 
 今私なりに考えているウキの形状は、丸形が中心になるのは仕方ないのかもしれないが、例えば菊の花のつぼみを真上から見たような、潮受けを重視したタイプとか、丸形ウキの下部を削り取ったシーアンカーみたいな形状とか、野いちごみたいに全体がブツブツしたような形等、今までになかった形を考えている。
 自分で作る技術があれば、色々な材料を削って作ってみたいとも思っている。
 
 環付きウキは、中通しタイプと違って特異なウキというような受け取られ方があるのも事実だろうが、この便利さは中通しウキの比では無いと思うのも事実である。
 そのためには、もっと使いよく見た目にも釣り人の目を引くような形状、使用していて小さいけれど遠投が効く自重があること等、課題は尽きないと思っている。

 私の考える究極の環付きウキは、下ぶくれタイプで0号は海中1m〜3mで停止浮遊し、00号は海中4m〜7mで停止浮遊すると言った夢の環付きウキなのである。
 実現はとても難しいと分かっているが、あったらいいなといつも思っている。

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