ボイラー技士

国家資格
ボイラーとは水を加熱して蒸気や温水を作る装置。ビルや工場、病院などで空調設備・給湯設備として多く利用されている。 資格の級別において、扱える装置の大きさが決まっている。
ボイラーを設置しているところは非常に多いため、有資格者の需要は安定しているが、2級資格で扱えるボイラー規模が小さいことと、 非常に小型のボイラーの取扱いは講習会修了者でも認められているため、より上級の資格を目指したい。
受験資格 【2級】@学校教育法による大学、高等専門学校、高等学校においてボイラーに関する学科を修め3ヶ月以上の実地修習を経た者、A6ヶ月以上ボイラーの取扱いの実地修習を経た者、B都道府県労働局長が指定するボイラー実技講習(20時間)を修了した者、C都道府県労働局長又は登録教習機関が行ったボイラー取扱技能講習を修了し、4ヶ月以上小規模ボイラーを取扱った経験がある者、D熱管理士免状を有する者で、1年以上の実地修習を経た者、他
【1級】@二級ボイラー技士の免許を受けた者、A学校教育法による大学、高等専門学校、高等学校等でボイラーに関する学科を修め卒業した者で、その後1年以上の実地修習を経た者、B熱管理士免状を有する者で、1年以上の実地修習を経た者、他
ただし、@の要件の場合、二級ボイラー技士試験免許を受けた後、一定以上のボイラー取扱い経験がないと免許は与えられない。
【特級】@一級ボイラー技士の免許を受けた者、A学校教育法による大学、高等専門学校でボイラーに関する講座又は学科目を修めて卒業した者で、その後2年以上の実地修習を経た者、他
ただし、@の要件の場合、一級ボイラー技士試験免許を受けた後、一定以上のボイラー取扱い経験がないと免許は与えられない。
試験内容 マークシート方式
@ボイラーの構造、Aボイラーの取扱い、B燃料および燃焼、C関係法令
受験について 【試験地】北海道、仙台、千葉、愛知、兵庫、広島、福岡ほか、全国の安全衛生技術センター
【試験期日】特級:10月(年1回)、1級:1月に1回程度、2級:月2回程度
【受験料】8300円
【合格率】特級:20%、1級:40%、2級:50%
☆情報☆ 多くの参考書が出ていますし、講習会もあります。
日本ボイラ協会
安全衛生技術試験協会
関係法令 ボイラー及び圧力容器安全規則、労働安全衛生法、ボイラー構造規格、等
問い合わせ先 日本ボイラ協会
2008.2.18現在
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練習曲(エチュード)


ボイラー技士 取得体験記

会社での新規開発も、順調とは言えないまでもステップアップし、
新規工場(プラント)の建設を視野に入れた検討も始まりました。
あまり馴染みは無いでしょうが、化学工場を建てるためには
その機能に応じて色々なルールに制約されます。

一般的なこととして置き変えて言えば、もしも家を建てることになったとしたら、、、
どこに土地を買って、どんな家を建てるかを考えることろから創めることとなるでしょう。
そもそもその土地には家を建ててよいのか?3階建てはOKなのか?
周囲の状況は?駅や学校、病院とは近いのか?スーパーは?治安は良いのか?悪いのか?
最近ではNTT光は来ているのか?とか、
都市ガスなのか、プロパンなのか?ということにもチェックを入れて、、、

化学工場も全く同じ。立地については制約を多く受けるし、
電気や水、原料なんかを得やすい(運びやすい)場所であることが望まれます。
違う点と言えば、駅や学校、病院に関しては、
近くに在ってはいけないということくらいでしょうか。
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前置きが長くなりましたが、新工場の立地を考えていったところ、
有力な候補地には必要なエネルギーが充分に確保できない可能性があることがわかりました。
足りないものとは"蒸気"
電気機器の発達した現在において、蒸気?思われるかもしれませんが、
蒸気は熱源としてはとても優秀なのです。
発生のさせ方が、「燃料燃焼→水への熱伝導→蒸気発生→対象物へ伝熱」とルートが短くロスが少ない。
電気を考えれば、火力発電ならば「燃料燃焼→水への熱伝導→蒸気発生→タービンに供給→タービン回転→電気発生」
ここから更に、変電や蓄電、移送によるロスを繰り返し、
最後に加熱ヒーターに通電されて、ここでもロスが発生する。
蒸気ももちろん導管で移送するのにはロスはでますが、
必要量に応じてパッケージボイラーを隣に設置してしまえばよい。
(発電所も隣には置けますが、、、設備としては重厚長大、負担が大きいです)

と言うわけで、加熱エネルギーのための蒸気が必要で、ボイラーを置きたいが
ボイラーを設置し、運転するためにはボイラー技士が必要です。
新工場を建てるときまで在籍するか分かりませんが、とにかく皆で資格を取りに行こう、と言うことになりました。

ボイラーの受験資格は大概実地経験が必要です。
誰もボイラーを動かした経験はなく、実技講習(20時間)を受けて、2級から挑戦していくことになります。

試験は正誤の5択問題が各10問の4単元。
各単元最低4割で、総合6割正解で合格。
ボイラーの構造や周辺機器については、設備担当をしてきたお陰で知ってる&理解しやすく、
取扱いや保守管理も構造を知っていれば理解は早い。
燃料と燃焼に関しては、化学反応として考えれば専門家。
大気の公害防止管理者試験とも重なるところもあってそれほど困難はなし。
唯一、法令が馴染みがないものの、業務で散々消防法や高圧ガス保安法を扱ってきて
法令に対しての免疫ができている。
よってあまり苦しむことなく実技講習の教科書と過去問で
12月から勉強し、2月の初めに合格できました。で、即5月の1級試験に申し込み。
昔は2級取得後の実務経験が無ければ1級試験は受けれませんでしたが、
今は試験だけならば経験なしで受験可能。
2ケ月ほどの勉強内容を忘れないうちに、と続けて勉強。
1級は出題範囲こそ変わらないものの、非常に細かいところまで聞いてきます。
例えば、法律なんかは全く出題難易度が変えれないだろうと思っていましたが、
文の(括弧)書や例外事項など、重箱スミを質問されます。
そんなこんなで、2級よりは難解になった試験も、年末から5月末までの5ヶ月間の勉強の甲斐あり、
近畿支部まで出向いて合格しました。(合格証のみ、技士資格は2年実務後)

しかし、今年の試験勉強シリーズはまだ後2ケ月ほど続くのでした。。。