SQUARE 90
2004.4/6〜11 都城市立美術館
2003年、内側に90×90cmスペースと半球状のアクリルカバーを持つ変形額の利用という共通課題に取り組んだM・A・Pとときわ通り商店街メンバー。折角の作品を眠らせておく手はないと、都城市立美術館で再展示を試みました。 反応は様々。何よりも出品された方々が「滅多にないことだから」と家族連れでシャッターを切っていましたし、対話を交えて楽しげに見入る若い親子連れの微笑ましい姿も多く、印象的でした。年配の方の反応は探るかのように興味を示されるか、敬遠されるかとほぼ2分。プロ/アマチュアの垣根を越えた試みですが、纏めて展示を行うことでそれぞれの個性のぶつかり合いが実にうまく浮き彫りになったように思います。 「どなたが指導されたんですか?」の問いに思わずニヤリ。 いいえ、みんな好き勝手にやってます。 |
光野浩一出品作 MIND GAMES(EXIT) 中央に避難誘導灯を配し、全て異なるグレーで塗られたチェスのキング駒と共に封入する。裏面にはブルーの透過シートを張った穴があり、暗くなると周囲の壁面を青い光で染める。 (roll over imageはdetail)
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このフレームはときわ通りの文房具屋さんがバブル期に大量に作ったものの売れ残りで、長い間良いとは言えない環境の中に置かれたままだったものだそうです。それを昨年ご好意で提供下さいました。
ご自身も大変魅力的な作品を出品されましたが、この共通課題のおかげで昨年のアートストリートは近年にない元気なものになりました。自由さが売りのアートストリートですが、明快で魅力ある制約が却って発想の幅を拡げるのだと確認し、新しい方向性の糸口を見つけることができました。
美術館を抜け出して自由に遊び心を発揮する場としてスタートしたのがアートストリートですが、今回の美術展はこれまでの流れから見ると逆行の感も否めません。しかし、一般に敷居の高さを感じさせる美術館も、それ故に特別な魅力ある場所として認知されているという事実もやはり再認識したのです。自分の好き勝手が特別な場所で作品として認められる喜び/特別に思えた場所が実は案外自由な場所であったという驚き…その感覚は可逆的で新鮮な感動を呼び起こしました。それを今回確かに目の当りにしたのです。
しかしながら、今回の流れでなければ、この空間はスタートになったでしょうか?前述の可逆的な感動をそれぞれサポートするものとして、今後はアートストリート/美術館がリンクした活動を考えていくことも必要かも知れません。
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