2002年の発表は初の野外展で幕開け。
桜島町にアトリエを構える造形作家・萩原貞行さんの大規模なアート・プロジェクトです。 ユニークな展示形態のみならず、音楽・舞踏・演劇などたくさんのライヴやワークショップで賑わいました。

桜島 マグマ・プロジェクト

「第1章・交流」


2002.4.20〜5.26 鹿児島県 桜島町体育館横特設会場




INSTALLATION


*roll over imageは設置最終案。実際は一部ライトボックスの位置を変更しました。





  会場全景。鉄パイプによる構造体を全面にわたって展開し、ブースを区切る。
その中に直方体の部屋を設けて作家に割り振る。
中央付近に見える黒い部屋が今回の作品。
     
  エントランスから中を覗く。内壁は白い。内容物の配置がわかる。外観は黒。
     
  天井中央には桜島の空を映したライトボックスが点灯。
     
 
壁には桜島の海を映したライトボックスが点灯。(実際の海側を向いている壁面に取り付け。)
     
  芝生剥き出しの底面には白い台があり、『.I 』(『I .』のリバース。)の文字を刻印した黒い墓碑状の石版が載る。
     
 
石版を載せた台は地面からわずかに浮いており、隙間から赤い光が漏れる。
昼間はさほど目立たないが、日が落ちるに従い、次第に部屋を染める。

 







『自然と人工』『生と死』『閉塞と埋み火のようなエネルギー』…
現代人の生活を象徴する要素をこの地の自然の中に置く事で、相反する意味の混在する場を生み出す。
この企画にあっては逆説的な意味を持つ作品。

この島には少年時代の想い出が多くあり、私の人格形成に多大な影響を及ぼしています。
極私的には自らのルーツを探る記念碑的な意味合いを持ちますが、それは地元の方も多い観客にとっても恐らく同義でしょう。

当初は旧作の貸し出し依頼から始まったのですが、企画の意義と野外展の性格を考えて一気にコンセプトを書き下ろした作品です。