私のインスタレーションはレディメイド並びに発注品から構成されます。全てのものは何らかの意味を負い、その出会いは新しいドラマを生みます。私の表現のスタートは具象絵画でしたが、それはその頃から最大の関心事でした。毎日、自分は何のために描くのかという擬問を胸に筆を走らせていましたが、わざわざ画面という窓を構築せずとも、モチーフを並べるだけで強いイメージを喚起することが可能だということに気付いたのです。
描くことを愛し、その中になぜ描くのかという答えがあることを知ってもいましたが、同時にそれは絵の具と手癖の集積に過ぎないという絶望も共にありました。ならばそのようなアンビバレンスを問題として直接提示する装置を投げ出してみよう…。
必然的に、舞台を構成する個々のものには静かで冷たいものが選ばれました。
ここでは、旧作からのチョイスをご紹介致します。

 

 

『FUNERAL UNIT』(1988 KANAZAWA)

枯れた花を棺に入れ、生花を添える。

     
  『AMBIVERENCE』(1990 MIYAZAKI)

陸上競技用ハードルに黄と黒でストライプを描き、等間隔に並べる。

     
 
『THE LAWS OF LOVE』(1993 FUKUOKA)

何もない空間の中央に黒塗りのベビーベッドを置く。中には偏光シートを貼ったアクリルの箱。上面には『LET ME SMILE』の文字を配す。覗き込むと自分の顔が表面に映るが、かろうじて白無垢の赤ん坊の人形が確認できる。

     
  『CONDITION』(1994 MIYAZAKI)

カセットデッキのヘッドホン端子にマイクをつないだものを二組向かい合わせる。それぞれ男の声、女の声により『I LOVE YOU』と録音したエンドレス・テープを仕込み、再生。

     
  『MEMORIES』(1994 PARIS)

各種記録媒体の表面に、日記を書いたものを中心に、使用済みワープロリボンや焼いた写真などをケースに収めて展示。

     
 

『MEMORIES(BLACK)』(1995 FUKUOKA)

フロッピーディスクの表面に日記を書いたものをケースに収めて展示。1995年6月の1ヶ月分30枚を黒いフロッピーに書いたバージョン。中央には1999年12月31日終了の5年連用日記を置き、毎日『ALIVE』のスタンプを押してゆく。

     
  『NO TITLE』(1997 GOKASE)

中学校のCAI教室の照明を落とし、生徒用コンピュータ・ディスプレイに
『MEMENTO MORI』
『I( ) THEREFORE I AM』
『WATCH THE WORLD OVER YOUR NOSE』
の三種の文章を送る。


近作については、EXHIBITIONSページをご覧ください。
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