光野浩一、某日の記憶のかけら。月一回、一日分のみ掲載。
忙殺された四月の憂鬱が握らせた切符。
福岡の旅はこの時期恒例だが、自分の庭と言うにはまだ傲慢に過ぎた。
人生で一番、というモノが更新される楽しさ。
そこは狭いながらも自信と敬愛で守られ続ける場所。
引きも切らない客は至福の一杯の後、静かに席を譲る。
洗練された職人の所作は儀式に似るが、尚見飽きる事がない。
口に出してしまいたい秘密。
自分でもこんな時間や空間が創れないものだろうか。