光野浩一、某日の記憶のかけら。月一回、一日分のみ掲載。




Oct.30th.2004



またこの場所に座っている。

「なぜ福岡で?親戚がいらっしゃるんですか?」とは宮崎でよく聞かれる話。
親戚はいる、と言うとなぜか相手は納得する。そうでもなければ作品発表をするものではないらしい。

はじめて宮崎の社会に身を投じた年、その理不尽さと多忙さに心が乾いた。
なによりそこには自分が信じ、拠り所としていたものも、それに対する理解もなかった。

その年末、飢えた旅人のようにこの地へ這い出し、ひたすら歩いた。
展示終了間際の市美に飛び込み、ケリーの絵画を観て泣いた。

ただそこにある強さ。それが羨ましかった。

彷徨の果てに見つけた発表の場。自分で築いた関係。

かくして光野浩一はここで個展を開催する。