光野浩一、某日の記憶のかけら。月一回、一日分のみ掲載。
17の時分から、一人旅には随分慣れた。
鉄の轍織り成すリズムの向こうに、過ぎ行く夏を遠く眺めた。
手にしてきた自由は、甘美な不安の味もした。
かつてのセンチな青年は、一人よりも気楽な旅を知る。
ひとがひとのなかにかえる。