光野浩一、某日の記憶のかけら。月一回、一日分のみ掲載。
こういうディテールが実感出来ず、わざわざ遠くまで出掛ける事もある。
ささやかだけれど、展示の大きな部分を支えるポイント。
そういうものは結構、この世の中のところどころで息を潜め、
健気にしっかりと仕事をしている。
少年時代、よく空想した。
浜辺の石のひとつとか、小学校の黒板の裏に付き出た釘1本。
余りにも下らないそれは世界のリセットスイッチで、まず日頃意識される事も無い。
ところが1999年7の月、名も無い誰かがひょんな事から触れてしまい、
意味も無く、唐突に世の中は引っ繰り返るのだ。
こうして辛うじて在る世界。スイッチは未だ見向きもされないままか。