光野浩一、某日の記憶のかけら。月一回、一日分のみ掲載。


Nov.25th.2002






「あの事件のあと、作れなくなったんじゃないか」

そう思われていたらしい。
前回の個展との間には例のテロを挟む。

誰しも人類の良心を疑い、ものづくりの意味を問うた。

個人内の感傷に向き合い、他者との繋がりを細々と探る自分の立脚点など、
軽く吹き飛ばす事件が起きてしまった。自己も他者も文化も無い。みんなまとめて灰になってしまうのだ。
言われる迄も無く、ショックは大きかった。かと言って、立ち止まることもできなかった。

結局、作ることでしか何も確認できない自分。
ちっぽけな心の震えを感じ取ることから、ひとが繋がる可能性を紡ぎたい。それを諦められない。

あなたにもわかるでしょう?

 

2年ぶりの福岡展。他の作家との対話から。