光野浩一、某日の記憶のかけら。


Oct.8th.2016

鹿児島 CAPARVO HALL。

 

そうか、誕生日は次からの一日を生きるフェイズなんだ、と気付いたのがKIRINJI・鹿児島ライヴの2曲目、「今日も誰かの誕生日」を聴いた時。

脱退した弟・堀込泰行のボーカルが映える極上のシティ・ポップスを兄・高樹が歌い上げる様に思わず感涙。粗削りなセクシーさが持ち味だった声質に、弟を凌ぐ繊細な表現力が加わっている。

前回から2年。やはり彼らのライヴは文句無しに愉しい。ニューアルバムはラップからアフロ・ボッサ、クラシックからアイドルポップスまでカバーする幅広さだが、その一曲一曲を眼前で編み上げるように演奏する。

ナマならではのアレンジも見事だが、とにかくコーラスワークが美しく、圧倒される。特に嬉しかったのは「GOLDEN HARVEST」、ソロ作からの「涙のマネーロンダリング」、そしてオールドファン驚愕の「P・D・M」!
フルートが絡むメロディーラインに仕掛けた裏切り。今回は『日本一忙しいギタ女』・弓木英梨乃のバイオリンが冴える。
彼女と言えば「Mr.BOOGIEMAN」。これは楽しい。楽し過ぎる。キュート!サポートメンバーは元CYMBALS・矢野博康。これもまた嬉しい。


ラッパーのゲストを迎えることなく、全員でパートを回して盛り上がる「GREAT JOURNEY」、ギター鳴きと声とで「ニャー」が乱れ飛ぶ「ネンネコ」まで大充実の2時間半。堀込高樹、恐るべし!恐るべし!KIRINJI!