光野浩一、某日の記憶のかけら。
Jul.11th.2015
美大時代の後輩にして敬愛の対象・細田守監督の最新作「バケモノの子」。
世間はポスト宮崎駿というカテゴリーに押し込めたがるが、それは誤りだろう。
子供目線を意識する宮崎作品と違い、細田作品は彼の感じたことや成長・変化がダイレクトに表現されている大人の物語だ。
私的な発想を大切にしながら老若男女すべてが楽しめる「私たちの物語」を仕上げてしまう、その手腕が一流なのだ。
「成長する」「親になる」とはどういうことか、彼の実感がしっかりと伝わる傑作。
勇気の湧く泣け方ができる映画なぞ、そうはない。
(毎回金沢時代の友人にしか判らない想い出のモチーフが必ず登場する細田作品。 今回、まさか頑固一徹か!?)