光野浩一、某日の記憶のかけら。




Oct.11st.2014





台風と睨み合いの中、KIRINJI鹿児島公演へ。



双方共に優れたソングライターである兄弟バンドでメインボーカルの弟が抜けるという危機を、新メンバー5人を迎えて見事に乗り切った、まさに新しい船出。


ライブハウスならではの興奮。兄・堀込高樹その人が3mと離れず眼前で歌う感動と、手練れ揃いの織り成す音に酔う。




堀込高樹は詞人だ。歌詞が詩と異なることを、音でもあることを、曲と共にあり、また裏切ることで生まれる感覚を知っている。それを歌う力を持っている。


キリンジからKIRINJIへ。コーラスワークの美しさに力を増し、不穏な毒気も隠し持ったままにチャーミングなバンドとして生まれ変わった。ブラボー!

 



アンコールで歌われたソロ作「絶交」が嬉しい。かつて失意の自分を支えた曲だ。冬に向かい全てを捨ててなお清々しい男の孤独。

喧嘩別れでないにせよ、自分自身と弟・泰行をそれぞれに鼓舞するように取れる。

 

 



自分も支度をしなければ。