光野浩一、某日の記憶のかけら。月一回、一日分のみ掲載。




Oct.31st.2012






講談社刊 『現代の美術』。

確認しているだけでも11冊程だろうか。71〜72年発行だというのに、世界の美術動向をしっかりと捉えた中身の濃さに驚いたものだ。

自分の現代美術の基礎知識はこれに根差すと言っても良い。大学時代に貪るように読み、その後も古書店で見かける度にこつこつ購入し、揃えていた。


それがごっそり、シロアリに食われていた。

不思議なことに、隣接している本などには全く被害が見られない。

この全集のみが、触るとミルフィーユを潰すように、パラパラと崩れ落ちてしまった。紙質のせいだろうか。


いい加減に詰め込まれた本棚の一角のみが小火にでも遭ったかのように不自然に口を開けている。

 

 

現代美術は何処へ行った?

 

想い出の喪失以上に、何か象徴的な出来事を目にした気がしてならない。

 

 

(画像ナシ。単に汚いだけなので。)