光野浩一、某日の記憶のかけら。月一回、一日分のみ掲載。




Aug.5th.2010




こんなことでもなければ、宮崎入りなどなかっただろう。高文祭引率のTと再会。

Oの葬儀以来、丁度10年振りになる。



融通効かずで生意気。ぶん殴ってやりたいくらいの過去の自分だが、その自分に多様な価値を与え、揺り動かし、現在の生き方へと導いたのは、紛れもない大学時代の友人達だ。

自分の成長など未だに怪しいが、悪戯っぽい笑顔や出来た気配りはそのままに、彼は明らかに大人の男になっていた。



ぼくらはひとりじゃない、などと嘯く安い歌なぞうんざりだ。だが、それはある意味で的確なのだろう。

知らない自分や忘れた自分も、関わりある人の中で生きている



同じ時間を共有した、互いの姿を紡ぎ合う。