光野浩一、某日の記憶のかけら。月一回、一日分のみ掲載。




June.19th.2010




アラカワが亡くなって現れた世界の天井。

加えて口蹄疫の暗雲が都城を覆う。



美術館や図書館などの公共・文化施設はクローズ、それらに勤務の職員も検問消毒や遺骸処理に出されているようだ。

人間の知性を、生きる意味を守り育てる筈の職業人、彼等が直面する酷な程に皮肉な現実。


それを受け入れるともう戻れない  薬殺を前にした牛は悟り、悲痛な叫びを上げて抵抗するという。その叫びは脳裏に染み付き、人の心を侵すという。




感傷でも経済原則でも語るに愚かしい。人は元より勝手な生き物だ。

何を今更。

だが、現在の無力さを以てふたたび問うことを止められない。



生命とは何だ?