光野浩一、某日の記憶のかけら。月一回、一日分のみ掲載。




Feb.14th.2009




降って湧いた鹿児島歩きの時間。こんなことも珍しい。

市美のジョセフ・アルバース展。その作品になぞらえたイメージケーキが美しい。

しかしこの年の男が愉しむには派手に過ぎたか?量も辛目。自分にとってはもう出来ない種類の冒険だったようだ。


行きつけの店はかなり姿を消していた。

情報を得るために入ったネットカフェで、2007年の桜島アートプロジェクトの記録を目にする。

かつては県外参加者の一見安易なスタンスを批判したが、実現までの密な関わりと並々ならぬ努力を今更ながら知り、しばし反省する。

自分などは世話になりっ放しだった。


「アーティストとやらは自分たちの住む土地で何を考えたか?」観客はその答えを求めて足を運ぶ。

それには作品で応えなければ、作品に読み取れなければ意味がない。作家の日常など語れない。


その考えは今も変わらない。自分もまた桜島を愛する一観客だ。

しかし知らぬ間に、なんと遠く離れてしまっていたことか。