もはや恒例となった宮崎市・ウインドファームでの隔年個展。昨年福岡で発表のインスタレーション『CROSSING』に新作オブジェを加えたの発表です。

光野浩一展

『CROSSING '07』

2007.11.5〜18 宮崎市・GALLERY WINDFARM



INSTALLATION 『CROSSING』

 


 


盤面中央・直方体の構造物真上にライトボックスとフレームを吊るす。
ライトボックスに映し出されるのは宮崎の空。

床面はチェス盤を模す。黒のマスを合わせて交差・十字を強調している点が福岡の展示と異なる。 中央の直方体構造物に十字の窓があり、ここから中が覗ける。
窓から上方を見上げると、モノクロの空が映し出されている。 窓から覗いた下部は、すべて異なるグレーで塗られたキング駒が多数並べられ、内部のミラーで反復・増殖して映っている。

 


 

OBJECT: CROSSING
     
 

鉛筆でマス目が引かれたチェス盤状の台の上に、アクリル製の箱が複数個載る。

 

 

 

 

 

 

     
 

 

箱の中・中央には、すべて異なるグレーで塗られたキング駒が置かれ、その真上の面には空の画像を転写したフィルムが貼られている。

空の画像はユニット毎にすべて異なる。また、盤上の鉛筆線は、ところどころが消されている。

 

 

 

 

 

オブジェ展示からインスタレーションを望む。

このオブジェはインスタレーション『CROSSING』を俯瞰したもので、構造体周囲の空間の持つ意味を暗示する。

 

 

 

 


 

MULTIPLE: LINKS
   
中にホームページのURLのメモと種子を封じたストラップ状のマルチプル。会期中、作者と対話した来場者に贈る予定だったが、前回実現は成らなかった。今回ようやく予定通り実施の運びに。 詳細。サインとエディション・ナンバー、種が見える。

 


鑑賞者教育に配慮したキャプション。作品形態や鑑賞マナーに関する、初歩的な内容を噛み砕いて掲示。




『CROSSING '07』

自己の中の他者、他者の中の自己、それぞれの中にあるそれぞれの関わり・社会。
知り得ているようで、客観的に成り得ない、どこまでも断片的な世界のモデル。現実の中に訪れる精神的な死。それでもある可能性と祝福。その確認。

諸事情重なり、大盛況とは言えませんでしたが、それでも遠方からわざわざお越し下さった方や、お知り合いを連れて再度いらした方など、熱心な方々が多かったことが印象的な展覧会でした。『宮崎の地にアートの種を蒔く』という試みにようやく良い答えが見出せた思いです。