福岡市での個展。近年展開しているシリーズ新作です。
INSTALLATION 『THE WORLD TO ME』
白い室内の床面に十字型のユニットが浮く。その中央部には更に白色のコートが浮く。 |
中央の白色・半透明のトレンチコート。パラフィン紙製。デザインはごく一般的なもの。 トルソの形状は保っているが中は空洞。 |
床のユニットは白黒(正しくはライトグレー系のパターン/ダークグレー系のパターン)の正方形が交互に組み合わさったもの。 |
床面ユニットは都市迷彩柄をベースとした様々なグレーのパターンで塗り分けられた迷路になっている。 |
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今作は近年シリーズものとして発表しているシリーズです。今回のコートはパラフィン紙製の極薄生地で、発表を重ねるごとに存在感が希薄なものに移行しています。
生きることに伴う違和感をメタ的に捉えるために社会をモデル化する。そこに自分のモデルを登場させるなら、幽霊のようなものになるのではないか、という考察からです。
前回の発表から3年、コロナ状況を考慮しての開催延期を挟みましたが、それでも待って下さった皆様には感謝の他ありません。
THE WORLD TO ME とは「私のすべて」を意味する言葉。閉塞した状況下にあっても全てを見知っている訳ではない、皮肉と微かな希望を示したタイトルです。