福岡市での個展。近年展開しているシリーズ新作です。
INSTALLATION 『 星座を結ぶ 』
ほの暗い展示室。白い室内の中央にカーペットが敷かれ、直方体のユニットが置かれている。 また、四方の壁はジオラマ状のユニットで埋められている。 |
中央のユニットは棺と同サイズで十字の窓が切られ、内側からの光を漏らしている。また、ミラーブロックに乗せられることで床面から浮いて見える。 |
ユニット内部を十字窓から覗くと、ボードゲームのパーツから成るジオラマが見える。全体に楕円形で道は切られていない。 |
壁面のジオラマ。ユニット内部と同じく、ボードゲームのパーツで都市が作られている。 こちらにはそれぞれ道が切られ、盤面の外に延びている。ジオラマは実在の場所ではなく、心理的な象徴である。 |
わずかに壁面から浮くジオラマは一見ランダムに散らされて見えるが、道の繋がりを予感させつつもあからさまな関係性を持たないよう配置されている。 |
個人の生を物語やゲームに喩え、集約するならば、そこにないもの・語り得ないものの違和感も意識されることでしょう。果たしてそれらを遺していくことは可能なのでしょうか?その人となりは何をもって証明し、伝え継ぐことができるのでしょうか?
個人の生と社会の共通項・断絶について考えることはまた、実体のないものに形を与えて導きを求める星座結びに似ます。
九州コンテンポラリーアート展から2週後というハイペースの展示。2013年暮れ以来、久し振りの福岡個展です。ここ数年で肉親・知人の逝去が重なって考えたことがベースになっていますが、それでも重く私的にならず、思いを巡らせられる場を創ることに心を砕きました。
このギャラリーでの発表歴は長いというのに、初めて知ったことや初めての出会いが多かった、充実した時間を過ごせました。