第1 |
書面による意思表示ができる年齢等に関する事項 |
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臓器の移植に関する法律(平成9年法律第104号。以下「法」という。)における臓器提供に係る意思表示の有効性について、年齢等により画一的に判断することは難しいと考えるが、民法上の遺言可能年齢等を参考として、法の運用に当たっては、15歳以上の者の意思表示を有効なものとして取り扱うこと。
知的障害者等の意思表示については、一律にその意思表示を有効と取り扱わない運用は適当ではないが、これらの者の意思表示の取扱いについては、今後さらに検討すべきものであることから、主治医等が家族等に対して病状や治療方針の説明を行う中で、患者が知的障害者等であることが判明した場合においては、当面、法に基づく脳死判定は見合わせること。
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第2 |
遺族及び家族の範囲に関する事項 |
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1 |
臓器の摘出の承諾に関して法に規定する「遺族」の範囲については、一般的、類型的に決まるものではなく、死亡した者の近親者の中から、個々の事案に即し、慣習や家族構成等に応じて判断すべきものであるが、原則として、配偶者、子、父母、孫、祖父母及び同居の親族の承諾を得るものとし、喪主又は祭祀主宰者となるべき者において、前記の「遺族」の総意を取りまとめるものとすることが適当であること。ただし、前記の範囲以外の親族から臓器提供に対する異論が出された場合には、その状況等を把握し、慎重に判断すること。 |
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2 |
脳死の判定を行うことの承諾に関して法に規定する「家族」の範囲についても、上記「遺族」についての考え方に準じた取扱いを行うこと。 |
第3 |
臓器提供施設に関する事項 |
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法に基づく脳死した者の身体からの臓器提供については、当面、次のいずれの条件をも満たす施設に限定すること。 |
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1 |
臓器摘出の場を提供する等のために必要な体制が確保されており、当該施設全体について、脳死した者の身体からの臓器摘出を行うことに関して合意が得られていること。なお、その際、施設内の倫理委員会等の委員会で臓器提供に関して承認が行われていること。 |
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2 |
適正な脳死判定を行う体制があること。 |
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3 |
救急医学等の関連分野において、高度の医療を行う次のいずれかの施設であること。ただし、最初の数例の脳死した者の身体からの臓器提供については、大学付属病院(本院)及び日本救急医学会の指導医指定施設に限ること。 |
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・大学附属病院 |
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・日本救急医学会の指導医指定施設 |
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・日本脳神経外科学会の専門医訓練施設(A項) |
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(注)A項とは、専門医訓練施設のうち、指導に当たる医師、症例数等において特に充実した施設。 |
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・救命救急センターとして認定された施設 |
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4 |
なお、上記3の「最初の数例」に関する判断については、厚生省において、臓器移植ネットワーク、関係学会等と協議の上、別途示すものとすること。 |
第4 |
脳死した者の身体から臓器を摘出する場合の脳死判定を行うまでの標準的な手順に関する事項 |
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1 |
主事医等が、臨床的に脳死と判断した場合(臓器の移植に関する法律施行規則(平成9年厚生省令第78号。以下「施行規則」という。)第2条第2項各号の項目のうち第5号の「自発呼吸の消失」を除く、第1号から第4号までの項目のいずれもが確認された場合。)以後において、家族等の脳死についての理解の状況等を踏まえ、臓器提供に関して意思表示カードの所持等、本人が何らかの意思表示を行っていたかについて把握するよう努めること。
その結果、家族等から、その意思表示の存在が告げられた場合、又はその意思表示の存在の可能性が考えられる場合には、主治医等は、臓器提供の機会があること、及び承諾に係る手続に際しては主治医以外の者(臓器移植ネットワーク等の臓器のあっせんに係る連絡調整を行う者(以下「コーディネーター」という。)による説明があることを、口頭又は書面により告げること。
その際、説明を聴くことを強制してはならないこと。 なお、法に基づき脳死と判定される以前においては、患者の医療に最善の努力を尽くすこと。
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2 |
主治医以外の者による説明を聴くことについて家族の承諾が得られた場合、主治医は、直ちに臓器移植ネットワークに連絡すること。 |
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3 |
連絡を受けた臓器移植ネットワークにおいては、直ちにコーディネーターを派遣すること。派遣されたコーディネーターは、主治医から説明者として家族に紹介を受けた後に、家族に対して、脳死判定の概要、臓器移植を前提として法に規定する脳死判定により脳死と判定された場合には、法において人の死とされていること、本人が臓器を提供する意思及び脳死判定に従う意思を書面で表示し、かつ、家族が臓器提供及び脳死判定を拒まない場合に、脳死した本人から臓器の摘出することができること等について必要な説明を行うとともに、本人が書面により脳死の判定に従い、かつ臓器提供に関する意思を表示しているか否かについて書面により確認すること。また、家族が、脳死判定を行うこと及び臓器を提供することを拒まない意思があるか否かについて確認すること。
主治医は、家族が希望する場合には、これらの者の説明に立ち会うことができること。
なお、説明に当たっては、脳死判定を行うこと及び臓器を提供することに関する家族の承諾の任意性の担保に配慮し、承諾を強要するような言動があってはならず、説明の途中で家族が説明の継続を拒んだ場合は、その意思を尊重すること。また、家族の置かれている状況にかんがみ、家族の心情に配慮しつつ説明を行うこと。
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4 |
脳死を判定する医師は、本人が書面により脳死の判定に従い、かつ臓器を提供する意思を表示していること並びに家族も脳死判定を行うこと及び臓器を提供することを拒まないこと又は家族がいないことを確認の上で、法に規定する脳死判定を行うこと。
なお、脳死を判定する医師は、家族が希望する場合には、家族を脳死判定に立ち会わせることが適切であること。 |
第5 |
臓器移植にかかわらない一般の脳死判定に関する事項 |
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法は、臓器移植の適正な実施に関して必要な事項を定めているものであり、臓器移植にかかわらない一般の脳死判定について定めているものではないこと。このため、治療方針の決定等のために行われる一般の脳死判定については、従来どおりの取扱いで差し支えないこと。 |
第6 |
角膜及び腎臓の移植の取扱いに関する事項 |
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角膜及び腎臓の移植に関する法律(昭和54年法律第63号)は、法の施行に伴い廃止されるが、いわゆる心停止後に行われる角膜及び腎臓の移植については、法附則第4条により、本人が生存中に眼球又は腎臓を移植のために提供する意思を書面により表示していない場合(本人が眼球又は腎臓を提供する意思がないことを表示している場合を除く。)においても、従来どおり、当該眼球又は腎臓の摘出について、遺族から書面により承諾を得た上で、摘出することができること。
また、いわゆる心停止後に行われる腎臓摘出の場合においても、通例、心停止前に脳死判定が行われているが、この場合の脳死判定は治療方針の決定等のために行われる第5の一般の脳死判定に該当するものであり、法第6条第2項に定められた脳死判定には該当しないものであること。したがって、この場合においては、従来どおりの取扱いで差し支えなく、法に規定する脳死判定を行うに先だって求められる本人の脳死判定に従う等の意思表示及びそれを家族が拒まない等の条件は必要でないこと。
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第7 |
臓器摘出に係る脳死判定に関する事項 |
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1 |
脳死判定の方法 |
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法に規定する脳死判定の具体的な方法については、施行規則において定められているところであるが、さらに個々の検査の手法については、「厚生科学研究費特別研究事業脳死に関する研究班昭和60年度研究報告書」、及び平成3年2月に公表された「厚生省『脳死に関する研究班』による脳死判定規準の補遺」に準拠して行うこと。
なお、以下の項目については、特に留意すること。 |
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(1) |
瞳孔の固定 |
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従来の竹内規準で用いられてきた「瞳孔固定」の意味は、刺激に対する反応の欠如であり、長時間観察を行った結果としての「固定」として捉えていないこと。
したがって、脳死判定時において、あらゆる中枢性刺激に対する反応が欠如していれば、施行規則第2条第2項第2号に規定されている「瞳孔が固定し」として取扱うことが適切であること。
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(2) |
無呼吸テスト |
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自発呼吸の消失の確認は、無呼吸テストによって行うこととなるが、当該テストは、動脈血二酸化炭素分圧が適切な値まで上昇するか否かが重要な点であって、呼吸器を外す時間経過に必ずしもとらわれるものではない点に留意すること。具体的には、血液ガス分析を適時行い、無呼吸テスト開始前に二酸化炭素分圧がおおよそ基準値の範囲(35水銀柱ミリメートル以上45水銀柱ミリメートル以下)にあることを確かめた上で、二酸化炭素分圧が60水銀柱ミリメートル以上(80水銀柱ミリメートル以下が望ましい)に上昇したことの確認を行うこと。
無呼吸テスト中は、血圧計、心電計及びパルスオキシメーターにより循環動態の把握を行い、低血圧、不整脈等の反応が表れた場合には適切な処置を採ることとし、当該テストを継続することについての危険性があると判断された場合には、直ちに当該テストを中止すること。
炭酸ガスでなく低酸素刺激によって呼吸中枢が刺激されているような重症呼吸不全の患者に対しては無呼吸テストの実施を見合わせること。
なお、臓器提供施設においては、無呼吸テストの実施に当たって、呼吸管理に習熟した専門医師が関与するよう努めること。 |
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(3) |
補助検査 |
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補助検査については、家族等に対して脳死判定結果についてより理解を得るためのものとして意義が認められるが、簡便性や非侵襲性などの観点から、聴性脳幹誘発反応(上記報告書における聴性脳幹誘発電位検査法)が有用であり、施行規則第2条第5項に規定されているように、できるだけ実施するよう努めること。 |
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(4) |
判定医 |
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脳死判定は、脳神経外科医、神経内科医、救急医又は麻酔・蘇生科・集中治療医であって、それぞれの学会専門医又は学会認定医の資格を持ち、かつ脳死判定に関して豊富な経験を有し、しかも臓器移植にかかわらない医師が2名以上で行うこと。
臓器提供施設においては、脳死判定を行う者について、あらかじめ倫理委員会等の委員会において選定を行うとともに、選定された者の氏名、診療科目、専門医等の資格、経験年数等について、その情報の開示を求められた場合には、提示できるようにするものとすること。
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(5) |
観察時間 |
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第2回目の検査は、第1回目の検査終了時から6時間を経過した時点において行うこと。
ただし、脳死判定を受ける者の年齢、脳死に至った原疾患、経過等を考慮し、二次性脳障害等医学的な必要があると判断される特段の理由がある場合には、更に長時間観察すること。観察時間を延長した場合、その理由を脳死判定の記録における「その他判定を行った医師が必要と認めた事項」の欄に記載するとともに、事後、臓器提供施設の倫理委員会等の委員会に報告を行うこと。
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(6) |
その他 |
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いわゆる脳低温療法については、脳卒中や頭部外傷等の脳障害の患者に対する新しい治療法の一つであり、脳死した者を蘇生させる治療法ではないこと。
また、脳死判定を開始するに当たっては、それ以前に原疾患に対して行い得るすべての適切な治療が行われたことが当然の前提となるが、脳低温療法の適応については、主治医が患者の病状等に応じて判断するべきものであり、当該治療法を行うことを脳死判定の実施の条件とはしていないことに留意すること。
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2 |
脳死の判定以後に本人の書面による意思が確認された場合の取扱い |
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第7の1の脳死判定基準と同じ規準により一般の脳死判定がされた後に、本人の書面による意思や家族の承諾が確認された場合については、その時点で初めて法に規定する脳死判定を行う要件が備わると考えられることから、改めて、法に規定する脳死判定を行うこと。 |
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3 |
診療録への記載 |
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法に規定する脳死判定を行った医師は、法第10条第1項に規定する記録を作成しなければならないことは当然であるが、当該記録とは別に、脳死判定の検査結果について患者の診療録に記載し、又は当該記録の写しを貼付すること。 |
第8 |
死亡時刻に関する事項 |
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法の規定に基づき脳死判定を行った場合の脳死した者の死亡時刻については、脳死判定の観察時間経過後の不可逆性の確認時(第2回目の検査終了時)とすること。
また、死亡診断書の記載に際しては、脳死判定により死亡診断がなされた場合には、死亡時刻の記載の他に、脳死判定に係る第1回目の検査終了時の時刻についても、死亡診断書の「その他特に付言すべきことがら」の欄に併せて記載すること。
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第9 |
臓器摘出に至らなかった場合の脳死判定の取扱いに関する事項 |
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法の規定に基づき、臓器摘出に係る脳死判定を行い、その後移植に適さない等の理由により臓器が提供されない場合においても、当該脳死が判定された時点(第2回目の検査終了時)をもって「死亡」とすること。 |
第10 |
移植施設に関する事項 |
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1 |
脳死した者の身体から摘出された臓器の移植の実施については、移植関係学会合同委員会において選定された施設に限定すること。 |
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2 |
移植関係学会合同委員会における選定施設が臓器移植ネットワークにおける移植施設として登録され、その施設だけに臓器が配分されること。 |
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3 |
移植施設の見直し・追加については、移植関係学会合同委員会における選定を踏まえて適宜行われること。 |
第11 |
その他の事項 |
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1 |
公平・公正な臓器移植の実施 |
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移植医療に対する国民の信頼の確保のため、移植機会の公平性の確保と、最も効果的な移植の実施という両面からの要請に応えた臓器の配分が行われることが必要であることから、臓器のあっせんを一元的に行う臓器移植ネットワークを介さない臓器の移植は行ってはならないこと。また、海外から提供された臓器についても、臓器移植ネットワークを介さない臓器の移植は行ってはならないこと。
なお、角膜については、従来どおり、アイバンクを通じて角膜移植を行うものとすること。 |
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2 |
法令に規定されていない臓器の取扱い |
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臓器移植を目的として、法及び施行規則に規定されていない臓器を死体(脳死した者の身体を含む。)から摘出することは、行ってはならないこと。 |
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3 |
個人情報の保護 |
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移植医療関係者が個人情報そのものの保護に努めることは当然のことであるが、移植医療の性格にかんがみ、臓器提供者に関する情報と移植患者に関する情報が相互に伝わることのないよう、細心の注意を払うこと。 |
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4 |
摘出記録の保存 |
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臓器の摘出に係る法第10条第1項の記録については、摘出を行った医師が所属する医療機関の管理者が保存することとされているが、当該摘出を行った医師が所属する医療機関以外の医療機関において臓器の摘出が行われた場合には、臓器の摘出の記録の写しを当該摘出が行われた医療関係の管理者において保存すること。 |
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5 |
検視等 |
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犯罪捜査に関する活動に支障を生ずることなく臓器の移植の円滑な実施を図るという観点から、医師は、法第6条第2項に係る判定を行おうとする場合であって、当該判定の対象者が確実に診断された内因性疾患により脳死状態にあることが明らかである者以外の者であるときは、速やかに、当該者に対し法に基づく脳死判定を行う旨を所轄警察署長に連絡すること。なお、この場合、脳死判定後に行われる医師法(昭和23年法律第201号)第21条に規定する異状死体の届出は、別途行うべきものであること。
医師は、脳死した者の身体について刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第229条第1項の検視その他の犯罪捜査に関する手続が行われるときは、捜査機関に対し、必要な協力をするものとすること。
医師は、当該手続が行われる場合には、その手続が終了した旨の連絡を捜査機関から受けた後でなければ、臓器を摘出してはならないこと。 |
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6 |
組織移植の取扱い |
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法が規定しているのは、臓器の移植等についてであって、皮膚、血管、心臓弁、骨等の組織の移植については対象としておらず、また、これら組織の移植のための特段の法令はないが、通常本人又は遺族の承諾を得た上で医療上の行為として行われ、医療的見地、社会的見地等から相当と認められる場合には許容されるものであること。
したがって、組織の摘出に当たっては、組織の摘出に係る遺族等の承諾を得ることが最低限必要であり、遺族等に対して、摘出する組織の種類やその目的等について十分な説明を行った上で、書面により承諾を得ることが運用上適切であること。
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