都井岬沖瀬のクロ

 12月末の大晦日が目前になっても正月気分が盛り上がらないので、都井岬のクロとの熱い勝負に掛けて気持ちを盛り上げようと室丸の待つ都井宮の浦港へと向かった。

 既に先客が来ていて、出発の準備に寒風も何するものぞの意気込みを感じた。
 私も身支度を整えて船長を待っていると、次々と車がやってくる。
 さすがは今好調の都井岬だけの事はある。
 やがて、6時になり船長もやって来たので乗船開始。
 大黒瀬、小黒瀬と釣り人を降ろし、私は宮崎から見えていた太田さんと一緒にカメ瀬へと上礁した。
 このカメ瀬はこれまで何度か上がった事があり、大物クロをしとめた場所でもあるので懐かしい。
 直ぐに支度に取りかかり、私は西向きに太田さんは東向きにポイントをかまえて釣り開始。
 
 少し北西の風が気になるが、小さなサラシに仕掛けを乗せて、道糸を送り仕掛けを流しているとゆっくりと
キザクラの全層環付きミドル00号がゆっくりと海中に入っていった。
 同時に私の竿にググッと重々しい感じが伝わってきて、楽しいクロとの勝負が始まった。海面に浮いてきたのは800グラム程度の地グロ。
 丁寧にタモ入れし、本日の一匹目なので大切にクーラーにしまう。
 太田さんの方は瀬際を丹念に攻めているが、まだアタリがないみたいだ。
 私は2匹目のクロを狙って直ぐに仕掛けを同じポイントに振り込むが、段々と強くなってきた北西の風に竿が煽られて、思うように仕掛けを狙うポイントに送り込む事が出来ない。それでもアタリはあるのだがアワセが、ずれてしまったりで直ぐに針ハズレでばらしてしまった。
 最後は冷たく強い北西の風に負けた形で、名谷の沖瀬へと瀬変わりする事にした。

 太田さんと二人、沖瀬へと転戦した私たちを待っていたのは、キタマクラと草ふぐだった。
 フグたちをさけるために、沖目の流れに的を絞り撒き餌を多めにウキにかぶせてクロを狙う事にする。
 しかし、釣り始めて1時間経っても2時間経ってもフグの猛攻は止む事を知らないように針を取って行ってしまう。
 ここは辛抱とばかりに、仕掛けの投入を繰り返していると刺し餌が残るようになった。
 チャンス到来かも知れない。
 沖目に振り込んだ仕掛けに撒き餌を直接が被せ、潮に乗せるように仕掛けを流しているとウキがゆっくりと海中に入っていった。
 
 今までの我慢を一辺にはらすように、私にしては珍しく大きくアワセを入れると獲物が竿に乗ってきた。
 瀬際で気持ちいい走りを見せている獲物はクロに間違いない。
 海面に姿を見せたのは、900グラム程度の地グロだった。
 辛抱して釣り上げた1枚だけに、ここは記念写真を撮っておこう。
 
 太田さんもクロを掛け、楽しそうにクーラーに納めていた。
 2時を過ぎ3時近くになるとフグも姿を消したようで、クロの前アタリはあるのだがなかなか食い込まない状態が続いた。
 しかし、北西の寒風が治まって水温が安定すれば沖瀬のクロが活気づくだろう。

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