2004年水島の釣り納め

 クリスマスイブの翌日、12月25日いつものように水島のクロに合いたくて渡船夫婦丸の停泊する夫婦浦港へと車を走らせた。
 「今日は釣り人で一杯だろうな」
 と考えながら港に到着すると、先客は一人だけしか居ない。
 夫婦丸の常連の高橋さんが舟小屋の中で出港を待っていた。
 「おはようございます」「今日は一人ですか」
 と朝の挨拶をして身支度を整えていても、他の釣り客がやってくる様子が無い。
 そうこうしている内に、出港の時間がやってきた。
 夫婦丸の船上にいるのは私と高橋さんともう一人石鯛釣り師の三人だけ、今日はとっても良い一日になりそうだ。クロもきっと釣れるぞ。
 
 やがて水島に上がって夜明けを待つ間、高橋さんと色々な話をして時間を過ごしていると古田船長が小舟に乗り換えてやってきた。
 ミズイカが好調のようで、水島の表側を何度も往復している。
 夜明けが近づくに釣れて、満潮を迎え大きなウネリが駆け上がってくるようになった。
 3瀬でも全体がウネリをかぶっている。
 しばらくは高場の下で竿出しする事にしようと、高橋さんと二人で午前7時過ぎから釣りを開始した。 

 仕掛けを振り込んで私の仕掛けに直ぐにアタリが来た。
 良型のイサキだった。「今日は幸先良いぞ」
 そう思いながら仕掛けを投入、撒き餌をかぶせるとその撒き餌の周りに大きな波紋が出来た。水島名物の大型イスズミが早くも湧いてきた。
 その中には良型のクロの混じっているので胸が自然と高鳴ってくる。
 
 午前10時を回った頃に横尾君から電話があり、直ぐに夫婦丸に乗ってやってきた。
 この頃からクロが当たり始めてた。最初の1匹を掛けたのは横尾君で初卸の竿が小気味よい曲がりを見せている。
 良型の地グロが無事タモに治まった。
 次は私に来た。足下に来て何度も突っ込みを見せる事から待望の尾長のようだ。
 タモ入れした尾長はs近くありそうな方だ。高橋さんにもアタリが来た。これも良い引きを見せている。
 ここからは、3人の中の誰かが竿を曲げていくようになって楽しい時間帯になってきた。良型の地グロ、尾長グロ、また良型のイサキと連続して当たってくる。
 
 ふと見ると目の前の海面には数え切れないくらいのクロが浮いている。
 何千、何万という数のクロだろうか。高場に上がってその光景を眺めていると浮いているクロの下にもギラギラと光を反射するクロの姿が確認できる。
 これは水島が入れ食いになる日も近いなと感じさせる光景だ。
 感動的な光景を眺めていると、突然竿が引ったくられた。
 見えているウキグレが当たってきたかと思い多少慌てたが、海面に姿を見せたのはイサキだった。

 このイサキを最後として2004年の水島の釣り納めとなったが、来年は新年当初から素晴らしい釣果が続々と聞かれそうだ。
 また、来年も水島に通うぞ。

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