同級生の勝義が釣り上げた良型のクロ
水島の初釣りで良型のクロをゲット

水島の初釣りは…

 新年を迎えて、一番最初に頭に浮かんでくるのは、今年の初釣りは何処に行こうか、と言う事だ。

 今年は、1月の8,9日の両日に五島列島にクロ釣りに行って粉雪の中で多くの仲間達と楽しいクロ釣りをしてきたが、本拠地でのクロ釣りはまだだった。
 こうなると、やはり水島でクロ釣りをして今年の景気づけにしなくっちゃ、と言う気分になる。
 一緒に行く相手は、同級生の谷口勝義と鍋倉政弘(両者敬称略)の2名しかいない。
 しかし、これがこの日の波乱の始まりだった。
 1番船に勝義と乗る約束だったので夫婦丸の船小屋に行ってみると、普段は賑やかな筈なのに誰も来ていない。
 どうした事だろうと思っていたが、結局、私と勝義と坂元君の3人で出港となった。
 この時期に3人とは非常にラッキーだ。
 水島に上がって坂元君はアジの夜釣りを、私と勝義は焚き火の側に座り込んで夜明けを待った。
 
 午前7時いよいよ05年の水島でのクロ釣りの開始だ。
 潮はゆっくりと上り潮が動いていて、今にもクロが餌に食いついてきそうな感じがする。坂元君の竿がクロのアタリを捉えて大きく曲がった。
 良型の尾長だ。「よーし、次は俺だ」と高場の下に釣り座を構えて仕掛けを振り込むと直ぐにアタリが来た。キザクラ全層環付きのミドルの00号がゆっくりと海中に消えていった時と強烈なアタリが来たときは、ほぼ同時で胸躍る瞬間だった。
 タモに治まったのは良型の地グロ。直ぐに2枚目が来て今日の好調を予感させた。
 勝義も坂元君と二人で舟付けで頑張っている。地グロを釣り上げてホッと一安心と言ったところだ。
 
 波乱が始まったのはこの時掛かってきた1本の電話からだった。
 「もしもし、いま夫婦丸の上から掛けてる。インキョに荷物を取りに来て」鍋ちゃんの弾んだ声だった。
 インキョから瀬上がりしてきた鍋ちゃんが仕掛けを作り終えて、まさに私の横で釣りをしようとした時だった。
 びゅー!!ビュー!!強烈な北西の風が吹き始めた。
 「こら、誰がこん風をつれち来たとか」じっと鍋ちゃんを見ると「勝義さんとあんたと3人そろうと何かあるな」
 「何かある沙汰じゃない。釣りならんが…ほんとに、もう」
 「鍋ちゃん、吹き飛ばされそうじゃ」と勝義も大笑いしている。
 
 でも、そんな強風ぐらいでへこたれないのが我々3人組の強みだ。
 竿を振り込むときは「オリャ!」と気合いを入れ、アタリを待つ間は風に寄りかかるようにして足を踏ん張っていなくちゃいけない。
 そんな時に勝義が、坂元君が、私が、鍋ちゃんがと次々にクロを捉えて、強風と戦いながら楽しい、時間を過ごしていく。
 風の神の鍋ちゃんも連続してクロのアタリを捉え、坂元君の強風に押されながら良型のクロを釣り上げている。
 私も、波しぶきを頭から被りながら頑張った一日だった。
 鍋ちゃん、お祓いしてこい。

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