九州真ぐれ会懇親釣り大会
2005年、新年を迎えて長崎の五島樺島を舞台として、九州真ぐれ会の懇親釣り大会が盛大に開催された。
九州各県から44名の仲間達が集まっての懇親釣り大会は、寒風吹きすさぶ生憎の天気となったが、誰よりもクロ釣りが好きな事を自認する仲間達である。
長崎の大波止フェリーに集合した仲間達は、寒さを忘れるようにクロ釣りの話に花が咲いている。
午前8時10分発の福江行きフェリーに乗船し、組み合わせ抽選をした後はどんな場所でどんなクロが釣れるのか、缶ビールを飲み交わしながら話が膨らんでいく。
私は、宮崎からの長旅もあって、抽選の後は直ぐに横になった。
しばらくして2時間ほど眠ったのだろうか、目が覚めてフェリーの窓から外を眺めてみると五島の島々が見えているが北西の強風で風波が立っている。
「時化男は誰だ」
「今日は、寒さとも戦わないといけないな」
等と悪天候も、楽しさの一つに変わってしまっている。
福江港に降り立った面々は小川会長の開会の挨拶の後、抽選によって割り当てられた手船にそれぞれ乗り込んだ。
私は宮崎の山下さん、山村さんと同じ「航輝」という渡船だった。
4隻の渡船に分乗してそれぞれのポイントへと散らばっていった。
私が上がった磯は椎の木島のハナレ。ここは以前一度上がった事があり良型のクロを好釣りした場所だった。
同礁者は福岡の永松君という20代の若きクロ釣り師だ。
潮は上げ潮が入っていて、流れの速いのが気になるが船着けから北西の方向に仕掛けを流していく事にした。
仕掛けをセットして直ぐに夕間詰めのクロを狙って釣りを開始した。
撒き餌に大群で寄ってきたのはアブッテカモだった。
その数は半端な数ではなく、大群で撒き餌に群がっている。
しかし、アジゴの群れではないので何とか交わせるかもしれない…そう思いながら撒き餌を続け仕掛けの投入を繰り返す。
見回りに来た船長も「アジゴが居ないのなら粘ってみると尾長が出ると思う」と言うので、気合いを入れ直して再度仕掛けを振り込んだ。
北西方向に流れる潮に乗っていたキザクラの全層環付きミドルの00号がスパッと海中に消えた。
今までの餌取りのアタリと違って、小気味よい引きが竿を通して私の手元に伝わってくる。
「クロが来たよ」永松君に声を掛けて、小さいけれど今日は大会なのでタモ入れする。
後で検量したら30p弱の尾長だった。
一瞬30p越していれば、入賞ぎりぎりかな…と思っていたが、そうは問屋が降ろさない。
その後は、再びアブッテカモ地獄に陥ったようにクロの姿すら見えなくなり、永松君に手のひらサイズのクロが当たったのみ。
寒い北西の風にも根負けした形となり、納竿した。
後は温泉に入って、体を温めようっと。