久家君がナッケで釣り上げたチヌ
トウセンベイで私が釣り上げたクロ

トウセンベイからナッケへ

 今年は出足から北西の強風にたたられる事が多く、なかなか思うようなクロ釣りが出来ていない事もあって、この日は「どうか風よ吹かないで…」という気持ちだった。

 午前6時の出港に遅れないようにと、少し早めに都井の黒井港に行くと、今日の同行者の久家君が既に来ていた。
 宮崎の伊東さんの既に来ていて、撒き餌の準備を済ませていた。
 「おはようございます。」と挨拶をしていると、次々と室丸の釣り客がやってきて一辺に港は賑やかになった。

 やがて船長もやってきて、トセンベイの組から瀬上がり開始となった。私たちの予定しているナッケは、満潮で波を被っているので上がれないと言う事なので、とりあえずトセンベイで待機する事になった。
 今年はこのトセンベイが好調と言う事だが、果たして今日はどうだろうか。
 早速仕掛けの準備をし、撒き餌を用意したところで釣りを開始する。
 久家君と並んで久しぶりに竿出しする事の楽しさが、どんな釣果に繋がるか。
 私の第一投に直ぐにアタリが来た。
 沖目に振り込んだ仕掛けに、撒き餌をかぶせた直後、竿引きでアタリが来たがあっという間に海底の沈み瀬に潜り込まれてハリスを切られてしまった。
 「しまった。油断していた…」
 悔やんだところで、後の祭りとはこの事で手応えからして可成り良型のクロだった気がする。
 それから暫くは沈黙が続いたが、再び私にアタリが来た。
 今度は瀬に入られないように気を付けながらやり取りをして、タモに納めたクロはキロを超した地グロだった。
 
 これを最後として、やがて瀬代わりのため迎えに来た室丸に乗ってナッケに向かった。
 途中にあるトリ瀬では若松君と伊東さんが頑張ってクロを釣り上げている。
 
 ナッケに着くと北西の風が段々と強くなっているのが気になったが、何よりも久しぶりのナッケでクロを釣りたいという気持ちが先になっていて、直ぐに釣りを開始する。
 クロのアタリらしいもぞもぞっとしたアタリが一投目からあるのだがなかなか乗ってこない。
 「食いが渋いな」
 「今度は少し誘ってみよう」
 と、色々考えなが゜ら仕掛けの振り込みを繰り返しているが、なかなか針掛かりしてこない。
 やがて、干潮から満潮に向かう潮が入り始めたときに、久家君が内場向きにポイントを変え直ぐにアタリを捉えた。
 腰を落として獲物の走りに耐えている。
 しかし、直ぐに横走りを始めた獲物に「クロではない」と感じたようだ。
 海面に姿を見せたのは銀白色に輝く見事な磯チヌ。
 しかし、クロ釣り師の久家君としては不満の様子だった。
 直ぐにクロを狙って仕掛けを振り込むが、強くなった北西の風をさけて午後3時に納竿とした。

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