吉田さんの一日
11月23日は勤労感謝の日である。
私の釣友である吉田氏と都井岬の荒崎に「クロ釣りに行こう」と言うことになった。
「名人、明日は私が自宅まで迎えに上がります。」名人とは私のことであるが、迷人かもしれない。
早朝5時30分過ぎに迎えに来てもらって、目指すは室丸の待つ都井の黒井港。
吉田氏の車に荷物を積んで、スピードを抑えながらも40分ほどで黒井港に到着。
既に10名以上の釣り客が待機していて、その中には私と同じ釣りクラブに所属する西水流くんもいた。しばらくすると久家君もやってきて、全員集合の雰囲気になった。
1便目の客を降ろして室丸が帰ってきたので朝の挨拶をすると「トセンベイに行くよ」と言うことで私と吉田さん、久家君が先に船に乗った。
久家君をトリ瀬に降ろし、私たちがトセンベイに降りたときは既に先客の二木君親子が釣りを楽しんでいて、「おはようございます」と元気良い挨拶をもらった。
我々も直ぐに準備に取りかかって、吉田さんを東の先端付近のポイントに入れて、私はほぼ真ん中アタリで竿を出すことにした。
竿を出して直ぐに吉田さんがシマアジを掛けた。
シマアジ独特の力強さで、大きく竿が曲がっていて、吉田さんもとても気持ちよさそうにその引き味を楽しんでいる。
無事タモに治まったシマアジは30センチを少し超した良型で「刺身が食べられる」と嬉しそう。
私も、彼から「今日はクロを1枚プレゼントしてください」と言われているのでがんばらなくっちやと思って気合いを入れて竿を振る。
しかし、大切な朝間詰めに私に当たるのは、サンノジだったり、バリだったりと外道のオンパレード。バリに至っては尾びれに張り掛かりしたスレの状態で上がってきた。
昼近くなってどうしても本命のアタリが出ないので、吉田さんを残して私は西側の高場に移動してみた。
潮は西に向かって下り潮が流れているので期待もてるかな…と、思ったが何度手返しして仕掛けの投入を繰り返しても、全く反応がない。
私のところに見学に来ていた二木少年が、吉田さんがクロを釣ったと教えてくれたので元の場所に帰ってみた。
相変わらず潮は足下に当たっているが、クロの姿がチラチラと確認できるようになっていた。チャンス到来。
直ぐに吉田さんが2枚目のクロを掛けた。綺麗な弧を描いて彼の竿がクロの動きに合わせるように曲がっている。
タモに入ったクロはs近くありそうな地グロだった。
私にも、強烈なアタリが来たが、浮いてきたのはイチノジでがっくり…。
このイチノジはクロそっくりのアタリと引きをするので非常に紛らわしい。
吉田さんにもそのイチノジが来た。
海中に見えるクロの数は時間と共に増えているのだが、どうしたことか当たってくるのは外道のイチノジ、サンノジばかりとなった。
何とかクロを釣り上げようと彼も頑張っているが、なかなか思うようにならないのが釣りの世界という物で、午後3時30分頃、他の釣り客を迎えに行った室丸が通りかかったので本日は納竿とした。