酷暑の都井岬荒崎2番

 9月20日久しぶりに荒崎2番に上礁した。
 前日の釣り客が残していった岩場にこびりついている撒き餌を洗い流すことからこの日の釣りは始まった。
 2番の東側、西側と何杯の水で洗い流したことか…。
 午前8時にスタートしたこともあって、掃除の作業中から大量の汗が流れ始めた。
 「そういえば、昨日の天気予報で今日は残暑が厳しいって言ってたな」
 と、思い返しながら磯の掃除を繰り返していた。
 しかし、朝の9時前というのに気分の悪さを覚えるくらいの暑さだ。
 一緒に来ていた労金の吉田さんに「気分悪くない…」と聞くと「私だけかなと思っていました。この暑さはたまらんですね。フー…」と言ってクーラーからお茶を出して喉を潤した。
 撒き餌には木っ端グロが群がっているし、しかし、針掛かりしてくるのはダツばかりで腹が立つしで、涼しい風早く吹け、と怒鳴りたくなった。
 写真を撮ろうとバッグの中を覗いたらデジカメは家に忘れているしで、今日はどうなるのだろうと暑さでボーッとした頭でクロを釣り上げることに専念した。

 木っ端から足の裏サイズのクロを1投毎に釣り上げ、サイズを見てキープとリリースを繰り返す。
 ふとトリ瀬にあがっている久家君が気になって電話してみた。
 「もしもし、調子はどうね?」
 「気分が悪くて倒れそうです。何もあたらないし、室丸呼んで帰ろうかなと思っています。」
 あの粘り腰の久家君が悲鳴を上げるくらいだから、今日の暑さは尋常ではないぞっと水分補給を細目にする事にした。
 
 我々の気力も萎え始めた昼前になって、ようやく涼しい風が吹き始めた。
 「気持ちがいい」
 ライフジャケットのファスナーを全開にして体全体に風を受ける。
 生き返った気持ちになって、いざクロ釣り再会。
 吉田さんは足下で大物に3度ハリスをとばされていたので、いっそう気合いが入っている。
 木っ端の下の方には良型のクロの姿も見えているのだが、なかなか食いついてこない。
 吉田さんが又、大物をかけた。足下の沈みに逃げ込もうと必死の抵抗に負けてハリスが切れた。
 「今の引き方からして尾長やろうか」
 「夕間詰めは大物が回ってくるからな、たぶん尾長やったかもね」
 返す返すも残念である。
 私の方は、足の裏のクロに混じって35センチ程度のイスズミが当たって引きを楽しませてくれるが、奴はウンチをばらまくだけに足で踏みつけて針をはずし、海に帰してやった。
 また、待望の夕間詰めが来たというのに、40センチを超すようなバリが当たり始めた。
 尾長タイムだというのに困ったモノだと思いながら竿を振るが、足の裏以上がどうしても当たってこない。
 残暑の厳しさもあって、3時30分に納竿とした。 

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