私なりのじっと我慢の釣りもある
全層釣法でクロを釣る
いま、クロを追い求める釣り人の間で、話題になっている釣法である。
一概に全層釣法と言っても、釣り人によって色々なやり方があると思っている。 全層釣法はウキを潜行させて、クロのタナまで刺し餌を届けると言うことを基本としているが、海の状況、取り分け水温の変化時にクロの食いが悪くなって、刺し餌が残ったまま上がってくる場面に陥ったことがある。
この様に、水温が低下したり、上昇したりする場合は、人間の世界に例えるならば夏バテや、寒さで体が縮こまった時と同じと考えている。
1度の水温上昇がクロの体調にこの様に変化を起こさせた場合、往々にして食い気が落ちてエサが残った状況になる。
こんな時が「じっと我慢の釣り」もあるのだ。
焦るなと自分に言い聞かせつつも、「何とかせんと今日はボーズだぞ」と自分で自分を迷路に迷い込ませてしまい、ホントのボーズで迎えの船に乗る。
でも、こんな状況下でも絶対にクロが当たらないかというと、そうでもない。
いままでに、こんな経験したこと無いですか。
仕掛けを振り込んで、ハリスが馴染んでアタリを待っているとコッ≠ニ何かのアタリは感じるが刺し餌は残っていて「今のは波の影響かな…」と思うアタリ。
これは、私は9割方クロのアタリだと信じている。
何処の釣り場でもある、不思議なクロのアタリなのだが、この対処法として針を小さくしたり、エサを剥き身にしたり、逆に針を大きくしたりと色々な手段を執ってみることも多いと思っている。
私は、ジッと我慢しながらもこの様なアタリが来たら、2〜3mほどミチ糸を送ってやる。全層釣法は「張りの釣り」でもあるので、すっとミチ糸を緩めることで食い気の落ちてるクロに針を飲み込ませる。
このことを実践しているが、何処の釣り場でもこのやり方が通用するかどうかは、今でも多少の疑問は残っている。
都井岬や南郷の水島では、上手く1枚のクロを釣ることが出来たが、油津では上手くいかなかった。
甑島でも上手くいったが、五島のある島では上手くいかず、竿先で誘うようにしてアワセを入れた。
我慢を強いられたときほど、1枚のクロを手中にしたときに破顔一笑の喜びに浸れる物だが、我慢できずに自分に負けることも多いのが現状だ。
ウキが、ハリスや刺し餌に引っ張られるようにして海中に潜行していく。
自分のイメージしたポイントで、ジッとクロのアタリを待つ。ジッと我慢の釣りの始まりだが、釣り人の力や釣法は限界がある。
この限界に挑戦するのがクロ釣りの醍醐味なのかも知れない。
ジッと我慢の釣りの、もう一つの打開策はハリスウキをセットして、タナ半ヒロ位から攻めてみる。
このハリスウキは、針とハリスと刺し餌の重さで、ジワリと潜行するようにセットすることがポイントになる。
今日も「ジッと我慢の釣り」が待っているのかな…釣るぞ!